インターネット広告の中でも、高い成果が期待できるリスティング広告。しかし、ただ闇雲に出稿するだけでは、思うような結果が得られないこともあります。そこで重要となるのが、「指標」と呼ばれる数値です。
この指標を正しく理解し、分析することで、広告の効果を測定し、改善していくことができます。
この記事では、リスティング広告の主要な指標を8つに分類し、それぞれについて解説します。また、指標分析のポイントや、成果を最大化するための具体的な施策についても紹介します。
リスティング広告の指標とは?
リスティング広告の指標とは、広告の効果を測定するために用いられる数値です。具体的に、大きく分けて以下の8つに分類されます。
表示回数/IMP
広告が検索結果画面に表示された回数を表す指標です。表示回数が多いほど、多くの人に広告を見てもらえる可能性が高くなります。
指標の重要度: 中程度
分析方法: 広告掲載期間中の合計インプレッション数を確認する。
分析のポイント
- インプレッション数が多いほど、多くの人に広告を見てもらえる可能性が高くなります。
- ターゲティング設定やキーワード選定が適切かどうかを判断する指標として活用できます。
- インプレッション数が少ない場合は、ターゲティング設定が狭すぎたり、入札額が低すぎたりする可能性があります。
表示単価/CPM
リスティング広告における表示単価 (CPM) は、広告が1,000回表示されるのにかかる費用のことです。
指標の重要度: 最も重要
- 表示回数が多いほど、多くの人に広告を見てもらえる可能性が高くなります。
- ターゲティング設定やキーワード選定が適切かどうかを判断する指標として活用できます。
- 表示回数が少ない場合は、ターゲティング設定が狭すぎたり、入札額が低すぎたりする可能性があります。
クリック数/CLICK
広告がクリックされた回数を表す指標です。クリック数が多いほど、広告に興味を持っている人が多いことを意味します。
指標の重要度: 高い
分析方法: 広告掲載期間中の合計クリック数を確認する。
分析のポイント
- クリック数が多いほど、広告に興味を持っている人が多いことを意味します。
- 広告の内容や訴求内容がユーザーのニーズに合致しているかどうかを判断する指標として活用できます。
- クリック数が少ない場合は、広告の内容や訴求内容が魅力的でない可能性があります。
クリック率/CTR
表示回数に対するクリック数の割合を百分率で表した指標です。CTRが高いほど、広告の内容がユーザーの興味を引いていることを意味します。一般的に、CTRが2%以上であれば良いとされています。
指標の重要度: 高い
分析方法: CTR = (クリック数 ÷ 表示回数) × 100 で算出する。
分析のポイント
- CTRが高いほど、広告の内容がユーザーの興味を引いていることを意味します。
- 一般的に、CTRが2%以上であれば良いとされています。
- CTRが低い場合は、広告の内容やキーワード選定が適切でない可能性があります。
クリック単価/CPC
1クリックあたりの広告費を表す指標です。CPCは、入札額によって決まります。
指標の重要度: 中程度
分析方法: 広告掲載期間中の平均CPCを確認する。
分析のポイント
- CPCは、入札額によって決まります。
- CPCが高いほど、広告の競争率が高いことを意味します。
- CPCが予算を超えている場合は、入札額を調整する必要があります。
コンバージョン数/CV
広告経由で目標達成(購入など)した件数を表す指標です。コンバージョン数が多いほど、広告が成果に繋がっていることを意味します。
指標の重要度: 最も重要
分析方法: 広告掲載期間中の合計コンバージョン数を確認する。
分析のポイント
- コンバージョン数が多いほど、広告が成果に繋がっていることを意味します。
- 広告が実際に売上や利益に貢献しているかどうかを判断する指標として活用できます。
- コンバージョン数が少ない場合は、広告のランディングページに問題がある可能性があります。
コンバージョン率/CVR
クリック数に対するコンバージョン数の割合を百分率で表した指標です。CVRが高いほど、広告がコンバージョンに結びつきやすいことを意味します。一般的に、CVRが1%以上であれば良いとされています。
指標の重要度: 高い
分析方法: CVR = (コンバージョン数 ÷ クリック数) × 100 で算出する。
分析のポイント
- CVRが高いほど、広告がコンバージョンに結びつきやすいことを意味します。
- 一般的に、CVRが1%以上であれば良いとされています。
- CVRが低い場合は、ランディングページの改善やコンバージョンフローの見直しが必要です。
顧客獲得単価/CPA
1件のコンバージョンを獲得するのにかかった広告費を表す指標です。CPAは、コンバージョン数と広告費を掛け合わせて算出します。
指標の重要度: 高い
分析方法: CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数 で算出する。
分析のポイント
- CPAが低いほど、広告費を効率的に運用できていることを意味します。
- CPAが高い場合は、広告の品質やターゲティング設定を見直す必要があります。
費用対効果/ROAS
広告費に対する売上高の割合を百分率で表した指標です。ROASが高いほど、広告投資の効率が高いことを意味します。ROASは、売上高と広告費を掛け合わせて、100で割って算出します。
指標の重要度: 最も重要
分析方法: ROAS = (売上高 ÷ 広告費) × 100 で算出する。
分析のポイント
- ROASが高いほど、広告投資の効率が高いことを意味します。
- ROASが100%を超えている場合は、広告費以上の利益を上げていることを意味します。
- ROASが低い場合は、広告の品質やターゲティング設定を見直す必要があります。
指標分析を始める前に
指標分析を始める前に、まず広告の目的を明確にする必要があります。広告の目的によって、重視すべき指標は異なってきます。
- 売上向上: コンバージョン数、コンバージョン率、ROAS
- ブランド認知度向上: 表示回数、クリック数、CTR
- 顧客獲得: リード獲得数、顧客単価
指標は、広告掲載期間によって変化します。そのため、短期的な指標と長期的な指標を分けて分析することが重要です。
- 短期的な指標: 表示回数、クリック数、CTR
- 長期的な指標: コンバージョン数、コンバージョン率、CPA、ROAS
単一の指標のみを見るのではなく、複数の指標を組み合わせることで、より深い分析が可能になります。
では実際に問題を解いて理解を深めてみましょう。
💡リスティング広告指標分析の例文問題
とあるECサイト運営者は、自社の商品販売促進のためにリスティング広告に出稿しています。広告掲載期間中の指標は以下の通りです。また、消化予算は50000円です。①②③をそれぞれ計算して埋めてみましょう。
表示回数 IMP | 表示単価 CPM | クリック数 CLICK | クリック率 CTR | クリック単価 CPC | 獲得数 CV | 獲得率 CVR | 獲得単価 CPA | 費用対効果 ROAS |
① | 50円 | 30回 | ② | ③ | 50件 | 5% | 1000円 | 100% |
できたでしょうか?答えは以下になります。
①の求め方は、消化予算÷表示単価=表示回数なので、
50000÷50=1000
①の表示回数は1000回が答えになります。
②の求め方は、クリック数÷表示回数=クリック数なので、
30÷①の答えの1000=0.03
0.03=3%
②のクリック率は、3%が答えになります。
③の求め方は、消化予算÷クリック数=クリック単価
50000÷30=1666.66666666・・・四捨五入して1667円
③のクリック単価は1667円が答えになります。
まとめ
リスティング広告の指標は、広告の効果を測定し、改善するために欠かせないものです。指標を正しく理解し、分析することで、より効果的なリスティング広告運用を実現することができます。
リスティング広告は、比較的短期間で成果を上げられるため、多くの企業が活用しています。しかし、競争が激化していることもあり、成果を上げるためには、指標分析による効果測定と改善が不可欠です。
最後まで読んで頂きありがとうございました。