ユニバーサルデザインとは、あらゆる人が快適に利用できるような環境や製品を作る考え方です。特定の人や、身体的能力や年齢、性別、文化的バックグラウンドなどに縛られることなく、誰もが同様に利用しやすいように工夫されているデザインのことを言います。
特に、WEBマーケティングの世界では、ユーザーの多様性を考慮して、すべての人にとって使いやすいWEBサイトを作ることが求められます。
この記事は、前編～後編に分けて説明します。
前編では、ユニバーサルデザインの基本からWEBマーケティングでの重要性、実践方法までお伝えしていくので基本から知りたい方はこちらから見てみましょう。
ユニバーサルデザインとは？
ユニバーサルデザインは、製品やサービスを、異なる能力やニーズを持つすべての人々が利用しやすいように設計することです。
このデザイン原則は、障がいの有無にかかわらず、「誰にとっても使いやすい」という利用体験を提供することを目指しています。
まずはじめに、ユニバーサルデザインの基本概念を詳しく説明していきましょう。
ユーザー中心のアプローチ
ユニバーサルデザインは、ユーザーの多様なニーズや能力を考慮し、誰もが利用しやすい製品やサービスを提供するためのアプローチです。
従来のデザインでは、特定のユーザーグループに焦点を当てていましたが、ユニバーサルデザインではすべてのユーザーに焦点を当てます。これにより、障がいの有無や年齢、文化的背景に関わらず、誰もが同じように製品やサービスを利用できるようになります。
ユニバーサルデザインの２つのポイント～包括性とアクセシビリティ～
ユニバーサルデザインには、誰でも利用しやすい社会を実現するために、2つの重要なポイントがあります。
①包括性
包括性とは、あらゆる人が利用できる状態を提供することを意味します。
あらゆる人とは・・・？
■年齢や性別、体の大きさ、障害の有無に関わらず
■異なる言語や文化を持つ人
■様々知識や経験を持つ人
②アクセシビリティ
アクセシビリティとは、「誰もが利用できること」を意味する言葉です。具体的には、障がいの有無に関わらず、誰もが情報やサービスを利用できる状態のことを指します。
例えば、以下のような工夫で、誰もが利用できるようなデザインになります。
アクセシビリティの具体例
WEBサイトやアプリの例
●テキストのみで内容を理解できるようにする
●画像に代替えテキストをつける
●字幕や音声読み上げ機能に対応する
製品やサービスの例
●操作が簡単でわかりやすいものにする
●読みやすい文字や色を使う
●音声ガイダンス機能をつける
高齢化社会の進展や情報化社会の発展によりアクセシビリティが重要になる理由がますます増えています。
包括性とアクセシビリティを意識することで、誰もが安心して利用できる社会を作ることができます。
すべてのユーザーにとっての利便性
ユニバーサルデザインは、全てのユーザーにとって利便性が高い製品やサービスを提供することを目指します。これにより、ユーザーの満足度や快適さが向上し、企業やブランドの評判も向上します。また、利便性が高い製品やサービスは、競争力のある優位性を持ちます。
WEBマーケティングにおけるユニバーサルデザインの重要性
WEBマーケティングにおいて、ユニバーサルデザインを採用することは欠かせません。
異なるスキルやニーズを持つユーザーに対して包括的な利用体験を提供することで、より広いユーザーにリーチすることができます。
視覚的・聴覚的・運動的な障がいを考慮したWEBサイトの設計
WEBサイトは、視覚的、聴覚的、運動的な障がいを持つユーザーや、高齢者、様々な知識や経験を持つ人などどんな人にも利用しやすいように設計される必要があります。
ユニバーサルデザインを考慮することによって多くのユーザーがWEBサイトを訪れ、サービスや製品にアクセスすることが可能になります。
SEO向上への影響
ユニバーサルデザインは、SEO（検索エンジン最適化）にも影響を与えます。
アクセシビリティの高いWEBサイトは、検索エンジンにとっても利用しやすいと見なされ、ランキングが向上します。
| ※SEOとは･･･ウェブサイトやコンテンツを検索エンジンの上位に表示させるためのプロセスや手法のこと。 |
また、WEBサイトのバランスの取れたデザインは、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、滞在時間やページビュー数の増加につながります。
| ※ユーザーエクスペリエンスとは・・・人が製品やサービスを使うときに感じる感情や体験のことです。その製品やサービスが使いやすいかどうかや、満足感なども含まれます。 |
ターゲット層の拡大と市場シェアの増大
ユニバーサルデザインを採用することで、ターゲット層を拡大し、新たな市場層にアプローチすることが可能になります。
障がいを持つユーザー、高齢者、さらには一時的な制約を持つユーザーまで、幅広いユーザーに対応できるため、市場シェアの拡大につながります。
ユニバーサルデザインの実践方法
ユニバーサルデザインの考え方をWEBマーケティングに取り入れることで、より多くの人々にとってアクセス可能なWEBサイトやコンテンツを提供することが可能となります。
ユニバーサルデザインの実践方法の基本は、すべてのユーザーに理解しやすいように配慮したバリアフリーなデザインとコンテンツの提供です。
では、ユニバーサルデザインの実践方法について詳しく見ていきましょう。
バリアフリーなデザインとコンテンツ
バリアフリーなデザインとコンテンツを作るには、利用者の多様性を理解することが重要です。様々なニーズを考慮することで、誰もが利用しやすい環境を作ることができます。
バリアフリーなデザインとコンテンツを提供することで、より多くの人に商品やサービスを知ってもらうことや、企業イメージの向上・新しい市場の開拓などが期待できます。
バリアフリーなデザインとコンテンツの具体例
●代替えテキスト
●字幕・音声読み上げ
●誰でも理解できる簡易化された言語
●余白を多く取った見やすいレイアウト
●わかりやすいシンプルな構造
※これらはほんの一例です。
レスポンシブデザインの採用
レスポンシブデザインは、異なるデバイスや画面サイズに適応することができ、ユーザーがどのようなデバイスを使用していても、最適な表示を提供します。
文字の大きさや色彩の選定に配慮
文字の大きさや色彩の選定にも配慮しましょう。視覚障がいを持つユーザーにとっては、十分な大きさの文字や、コントラストの高い色彩が重要です。
これにより、全てのユーザーがWEBサイト上の情報を正確に認識できるようになります。
おさらいとまとめ
ユニバーサルデザインは、すべての人々が利用しやすいように製品やサービスを設計する必要があります。
また、WEBマーケティングにおいても、ユニバーサルデザインを採用することが不可欠であり、多様なニーズを持つユーザーに対しても使いやすさを提供することが重要です。
ユニバーサルデザインの実践方法として挙げられる主なポイントは、以下の通りです。
ユニバーサルデザインの実践方法として挙げられる主なポイント
①バリアフリーなデザインとコンテンツの提供
②レスポンシブデザインの採用
③文字の大きさや色彩の選定に配慮する
これらの取り組みを通じて、より多くの人々にとってアクセス可能なWEBサイトやコンテンツを提供し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
ポイントをチェックしながらユニバーサルデザインを考えてみましょう！
前編では、ユニバーサルデザインの重要性から実践までを説明しましたが、ご理解いただけましたか？
現代では誰でも平等に与えられた権利を全うすることが大事だと筆者も日々感じています。
この記事を通してネット社会でもユニバーサルな世界を感じられるようなデザインを目指せることを願っています。
↓後編はこちらから！
ユニバーサルデザインとは？
WEBマーケティングでの重要性を解説！～後編～
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