近年、企業のマーケティング活動において、SNS広告はなくてはならない存在となりました。
しかし、種類や機能が多様で、どのように運用すれば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、SNS広告の基礎知識から、効果的な運用方法、そして成功事例までを詳しく解説します。初心者でも理解しやすいように丁寧に説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

SNS広告とは?

メールや、SNSの通知が書かれた、マークの背景に、ノートパソコンを左手でさわり、右手でスマホを持っている手元の画像。

 SNS広告とは、FacebookTwitterInstagramLINETikTokなどのSNSプラットフォーム上で配信される広告のことです。
従来のテレビCMや新聞広告と異なり、ユーザーの属性や興味・関心、行動履歴などのデータに基づいて、ターゲットを絞り込んだ広告配信が可能点が特徴です。

SNSのタイムラインやストーリーズ、おすすめアカウント欄に表示される広告などが該当し、
最近ではテキスト+バナーだけでなく、動画やカルーセルを活用して訴求するものも増えています。

検索結果に連動して表示されるリスティング広告と同様に運用型広告と呼ばれ、日予算・ターゲット・クリエイティブ・配信フォーマットなどの改善を行いながら、広告効果を最大化させていきます。

SNS広告の種類

SNS広告には、大きく分けて以下の4種類があります。

  • インフィード広告:
    ユーザーのタイムラインに自然に溶け込むように表示される広告
  • ストーリー広告:
    24時間で消える写真や動画を使った広告
  • インフルエンサーマーケティング:
    影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらうマーケティング
  • ライブ配信広告:
    ライブ配信中に広告を表示する広告

SNS広告のメリットとデメリット

SNSと書かれた木のブロックの上に、MERIT、DEMERITと吹き込みがある画像
SNS広告のメリット

潜在顧客へのリーチ:
まだ自社商品・サービスを知らない潜在顧客にアプローチできる
ブランド認知度の向上:
広告を通じて、自社ブランドを多くの人に知ってもらうことができる
顧客とのエンゲージメント:
ユーザーと双方向的なコミュニケーションを取ることができ、顧客とのエンゲージメントを高めることができる
コンバージョン率の向上:
広告を通じて、商品・サービスの購入や申し込みにつなげることができる
低コスト:
他の広告媒体と比べて、比較的低コストで広告配信できる
多様な広告フォーマット:
テキスト、画像、動画、インフォグラフィックなど、様々なフォーマットで広告を作成できる
効果測定:
広告の効果を詳細に測定できる
SNS広告のデメリット

ターゲティング設定が複雑:
効果的な広告配信ためには、ターゲティング設定をしっかりと行う必要がある
広告クリエイティブの質が重要:
ユーザーの興味を引くような広告クリエイティブを作成する必要がある
運用に時間と労力が必要:
効果的な広告運用ためには、時間と労力が必要

SNS広告の運用方法

SNS広告を効果的に運用するには、以下の5つのステップを踏む必要があります。

  • ターゲット設定:
    誰に広告を配信したいのかを明確にする
  • 広告フォーマットの選択:
    ターゲットや目的 に合わせて、適切な広告フォーマットを選択する
  • 広告クリエイティブの作成:
    ユーザーの興味を引くような広告クリエイティブを作成する
  • 予算の設定:
    広告配信に費やす予算を設定する
  • 広告の配信:
    広告プラットフォームで広告配信を行う
  • 効果測定:
    広告の効果を測定し、必要に応じて改善を行う

どのSNSに出稿するべき?

女性が斜め上を見ながら右手で顎をさわり、考える様子の画像

 SNS広告は、プラットフォームごとに利用者の特性や広告の配信方法が異なります。

Facebook広告は、日本のアクティブユーザーアカウント数は他のSNSに比べてやや少ないものの、
実名制であるため、高度なターゲティングが可能です。
このため、多くの企業がFacebook広告を活用しています。

また、Facebookと同じ管理画面でInstgram広告を出稿できるため、ターゲティングの精度と視覚的な訴求力を兼ね備えたInstagram広告も、ファッションブランドや化粧品などのブランディングに効果的です。

現在、Facebook広告とInstagram広告がSNS広告の主要なプラットフォームとなっています。

主要SNS比較表

項目FacebookTwitterInstagramLINE
ユーザー数約2,600万人
(2019/7時点)
約4,500万人
(2017/10時点)
約3,300万人
(2019/6時点)
約9,500万人
(2023/3時点)
年齢層10代〜50代10代〜30代10代〜40代10代〜60代
主な利用目的友人・家族とのコミュニケーション、情報収集、企業・ブランドの情報発信ニュース・トレンド情報の収集、友人・フォロワーとの交流、意見交換・議論日常生活の記録、情報収集、企業・ブランドの情報発信友人・家族とのコミュニケーション、企業・ブランドの情報発信
特徴実名登録、ターゲティング精度が高い、豊富な機能短文投稿、ハッシュタグ、リアルタイム性写真・動画投稿、ストーリー機能、ライブ配信機能ユーザー数が多い、アクティブ率が高い、クーポン機能
向いている業種・商品幅広い業種・商品ニュースメディア、アパレル、飲食店美容、ファッション、旅行小売、飲食店、サービス業
注意点炎上リスク炎上リスクトレンドの変化に対応が必要ターゲティング設定が難しい

Facebook

 Facebook広告は、実名登録を基本としており、ユーザーが提供した情報(氏名、年齢、地域、趣味・関心、勤め先など)を活用して精度の高いターゲティングが可能です。

また、広告の配信先が多岐にわたり、Facebookのニュースフィードだけでなく、MessengerやInstagram、Facebook広告が提携しているモバイルアプリやWebサイトへの出稿(Audience Network)が可能です。

広告の配信形式には、「画像広告」「動画広告」「ストーリーズ広告」などがあり、目的に応じて選択できます。特に「カルーセル広告」や「スライドショー広告」など、複数の画像や動画を効果的に表示するフォーマットが用意されています。

費用に関しては、「インプレッション課金(CPM)」と「クリック課金(CPC)」が主な課金方法です。CPMでは広告が1,000回表示されるごとに費用が発生し、CPCではクリックごとに費用が発生します。

また、「CPI」や「CPV」など、アプリのインストールや動画再生時間に応じて料金が発生する課金方法もあります。

インプレッション課金 CPM
表示回数が最大になるようにはいしんされるため、多数のユーザーに商品やブランドの認知をしてもらえます。

クリック課金 CPC
クリックされずに表示だけされた広告では一切費用が発生せず、無駄なコストを削減することができます

Instagram広告

 Instagramは、主に10〜20代の女性ユーザーが多く、
美容やファッションなどの女性向け製品やブランドとの相性が良いことが特徴です。

広告の出稿は、Facebook広告の管理画面から行われます。この統合されたプラットフォームにより、Instagram広告はFacebookと同様の高度なターゲティング精度を持ち、広告主は効果的な広告キャンペーンを計画することができます。

Instagram広告では、主にストーリーズとフィードの2つの配信場所があります。
これらの場所では、モバイル画面全体に広告を表示することができるため、ブランドのイメージを効果的に訴求することができます。

ストーリーズ
画面全体に広告が表示され、ストーリーズを見ていると流れてくる広告

フィード
ユーザーが写真や動画を投稿していく中で溶け込むように配信できる

Instagram広告の費用は、広告主が予算と掲載期間を指定して決定します。
予算設定画面では、予測されるリーチ数が表示されるため、予算設定時の参考になります。
予算が高額であれば、より多くのリーチを得ることができます。

決定された予算は、掲載期間中に均等に配分され、設定した予算を超える費用が発生することはありません。

Twitter広告

 Twitterは、主に10〜30代の若年層が利用するSNSプラットフォームです。
Twitterは実名制ではないため、Facebook広告のような詳細なターゲティングは行えませんが、
ユーザーの趣味や関心に基づいてターゲティングを行うことができます。

広告の配信場所には、プロモツイート、プロモアカウント、プロモトレンドなどさまざまな種類があります。これらの広告はTwitterのフィードや「おすすめユーザー」セクション、検索結果などに自然な形で表示されます。

また、プロモトレンドはタイムラインや「話題を検索」タブの「おすすめトレンド」セクションに表示されます。

Twitter広告の費用は、主に「CPM(インプレッション課金)」や「CPC(クリック課金)」に加えて、「CPE(エンゲージメント課金)」などのエンゲージメント数に応じて課金される方法があります。また、リツイートされた広告に対する二次的なエンゲージメントには課金が発生しません。

そのため、拡散力の高い広告を抑えられるという特徴があります。

LINE広告

 LINEは非常に広範な年齢層に利用され、8,000万人を超えるユーザー数を抱える大規模なSNSプラットフォームです。LINEはSNS利用者の約81.3%が利用しており、他の広告プラットフォームでは難しいユーザー層にもアプローチが可能です。

LINEはシェアやリツイートなどの拡散性はありませんが、友人や家族間などのコミュニケーションに主に利用されるため、ユーザーのアクティブ率が非常に高く、確実にユーザーにリーチすることができます。

広告の配信場所には、LINE NEWS、LINEアプリのタイムライン、LINEマンガ、LINE BLOG、LINEポイント、Smart Channel(LINEアプリのトークリスト上部)などがあります。

さらに、LINE広告ネットワークを活用することで、外部のアプリメディアにも広告を配信することができます。

広告の費用に関しては、「CPC(クリック課金)」と「CPM(インプレッション課金)」が基本的な課金方法です。また、LINE公式アカウントの友達を獲得できる独自の課金システムであるCPF(Cost Per Friends)もあります。

CPFでは友達追加ごとに課金されます。
設定費用に関しては最低額の制限がなく、小規模な広告からでも配信することが可能です。

まとめ

スマホの周りにメールやメッセージや、音譜や、いいねを表すグラフィックがついている画像

SNS広告は、企業のマーケティング活動において非常に効果的なツールです。
しかし、効果的に運用するには、ターゲット設定や広告クリエイティブ、運用方法など、様々な知識が必要です。

この記事を参考に、ぜひあなたもSNS広告を活用して、自社のビジネスを成功に導いてください。

筆者から

SNS広告の可能性を改めて認識しました。SNS広告は、従来の広告と比べて、ターゲティングを絞り込んだ配信が可能であり、費用対効果も高いことが魅力です。最後まで読んで頂きありがとうございました。